【アート用語辞典】陶器と磁器の違い?基本的な用語を解説

アートを学ぶ

2025月01月14日

身近だけれど以外と知らない陶磁器のこと。この記事では、陶器や磁器における主要な技法や用語、その特徴をわかりやすくご紹介します。陶器・磁器の鑑賞をさらに深く楽しむためや、購入時の参考にぜひお役立てください。

セラミックス

セラミックスとは、高温で焼かれた無機質の固体の総称です。セラミックスは、その成分や製造方法、用途によって多様な種類が存在します。
オールドセラミックスは粘土、長石、石英など自然界から得られる鉱物を主原料としています。(例:陶磁器やガラス)
これに対しファインセラミックスは精密な制御のもと高純度の合成物質を主原料として使用します。(例:半導体や歯の詰め物)

釉薬

釉薬(ゆうやく・うわぐすり)とは、陶器や磁器の表面に施されるガラス状の被膜を指します。この被膜は、焼成の過程で素地に溶け込み、表面を覆うことで、美しい光沢や模様を生み出します。

釉薬は、見た目の装飾効果だけでなく、陶器の表面を保護する役割も果たします。吸水性を防ぎ、汚れや傷から守ることで、陶器や磁器の耐久性を高める重要な要素です。

磁器

【アート用語辞典】陶器と磁器の違い?基本的な用語を解説

磁器(じき)とは、高温で焼成された非常に硬く、ガラス質の光沢を持つ陶磁器の一種です。ガラス質の光沢と滑らかな表面が特徴で、薄い場合には光を通す特性があり、繊細で美しい見た目を持ちます。吸水性が低く、液体を吸わないため清潔に保ちやすい特性があります。

ソフトペースト:骨灰や石灰が含まれ、焼成温度が比較的低いため、柔らかい質感が特徴。

ハードペースト:カオリン(土の一種)と長石が使われ、高温で焼成されるため、非常に硬くて丈夫。

ボーンチャイナ:骨灰、カオリン、長石が使われ、硬質磁器よりも低い温度で焼成。透光性が高く薄くて丈夫。

土器

【アート用語辞典】陶器と磁器の違い?基本的な用語を解説

土器とは、粘土を水と混ぜて成形し、乾燥させてから焼いた器のことです。比較的低い温度(600℃~900℃)で焼成されるため、陶器や磁器に比べて柔らかく、吸水性があるのが特徴です。現代では日常生活で広く使われることはなくなりましたが、通気性が良く、植物の根に優しいことから、植木鉢として利用されることがあります。

炻器

炻器(せっき)は、陶器と磁器の中間の特性を持つ陶磁器の一種です。粘土に長石や石英を加えたものを主原料とし、約1200〜1300℃の高温で焼成されます。陶器に比べて吸水性が低く、多孔質ではないため、より耐久性があります。

陶器

【アート用語辞典】陶器と磁器の違い?基本的な用語を解説

陶器(とうき)は一般的に粘土を主原料とし、成形・乾燥・焼成の工程を経て作られる焼き物の一種です。約1000〜1200℃の比較的低温で焼成されます。多孔質で吸水性があり、手触りはざらざらしていることが多いです。土器に比べて硬く釉薬(ゆうやく)を施している場合もあり、光沢があります。また、磁器に比べて柔らかく、自然な色合いや質感があります。

日本六古窯

日本には、古くから続く伝統的な陶器の産地として「日本六古窯(にほんろっこよう)」と呼ばれる6つの窯があります。それぞれの窯が長い歴史の中で培ってきた独自の技法や風格を持ち、日本の陶器文化を代表する存在です。

越前焼(福井県越前町)
釉薬を使わない焼締めの技法が特徴です。1200℃以上の高温で焼成されるため、耐久性があります。

瀬戸焼(愛知県瀬戸市)
多彩な釉薬の使用で有名で、白釉(しらぐすり)、鉄釉(てつぐすり)、青磁釉(せいじぐすり)などがあります。

常滑焼(愛知県常滑市)
赤茶色の土(常滑粘土)を用いて作られることが多く、耐久性に優れていることから、急須や茶器、花器などに広く利用されています。

信楽焼(滋賀県甲賀市)
耐火性の高い土を使用し、高温で焼成するため、頑丈で耐久性があります。タヌキの置物や蛙の形をした個性的な作品が多くあります。

丹波焼(兵庫県丹波篠山市)
自然釉や薪窯による焼成方法で生まれる独特の風合いと色合いが特徴です。

備前焼(岡山県備前市)
土本来の色や質感を活かした無釉焼きが特徴です。 胡麻(ごま)、桟切(さんぎり)、緋襷(ひだすき)、牡丹餅(ぼたもち)といった焼き色や模様があります。

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