アクリル、テンペラ、パステル【美術技法】

アートを学ぶ

2024月05月22日

絵を描くときに使う絵具は、アーティストが色鮮やかな絵を描くために必要な道具です。アクリル、テンペラ、フレスコ、パステルといった絵具はそれぞれ特長があり使い方も違います。この記事では絵具の特徴や使い方についてご紹介します。

アクリル

アクリル絵の具は、アクリル樹脂に顔料が溶け込んだ水溶性の絵具です。

乾燥が早い:アクリル絵の具は水性でありながら比較的速く乾燥します。これにより作品を素早く制作することができます。また水彩絵の具は乾燥しても再び水で溶けることがありますが、アクリル絵の具は乾燥すると水に溶けなくなります。

重ね塗りがしやすい:乾燥が早いので、色を混ぜたり重ね塗りしたり、多彩な色調や効果を表現することができます。

多目的に使える:アクリル絵の具はキャンバスや紙、板などの様々な表面に使用することができます。また、他の素材との組み合わせや立体作品の制作にも適しています。

アクリル絵の具の使い方

下地の準備
キャンバスやパネルなどの下地をジェッソで下塗りし、絵具がより良く密着するよう準備します。ジェッソは絵画やデッサンの下地を作るための準備材料の一種です。絵具が密着しやすいように下地を調整する役割があります。

アクリル絵の具の準備&描く
絵具をキャンバスやパネルに塗ります。絵具を厚く塗ることで立体感や質感を強調したり、薄く塗ることで透明感や輝きを表現したり、絵具の量や塗り方によって色や質感の表現を調整します。パレットに出した絵具や混色した絵具は乾燥しやすいので、必要な時以外はラップやシャワーキャップで覆っておくと乾燥を防げます。

テンペラ

テンペラは卵や他の結合剤と混ぜられた顔料の水性絵具です。

乾燥が早い:テンペラ絵具は比較的速乾性が高く、塗布後すぐに乾燥します。これにより複数の層を重ねて描いたり、細密な作業をすることができます。

発色と耐久性テンペラ絵具は鮮やかな色彩を持ち、乾燥後も色あせにくい特徴があります。乾燥後の絵具は比較的耐久性が高く、経年変化に対しても安定しています。

テンペラ絵の具の使い方

下地の準備
描くキャンバスや紙などの下地としては、テンペラ絵の具が密着しやすい紙や木材、布などが適しています。

テンペラ絵の具の準備&描く
テンペラ絵の具は、乾いた後に上から別の色を重ねて塗ることができます。絵が乾いた後に細かい筆や細工筆を使って、緻密な表現することができます。テンペラ絵の具は比較的速乾性がありますが、完全に乾燥するまでに時間がかかる場合があります。乾燥後は、必要に応じて保護や仕上げのコートを施して完成させます。

パステル(クレヨン)

パステルは顔料を粘土や石膏などに混ぜて棒状に成形した絵具です。

D.アラキ
Artist:D.アラキ

すぐに使えて、素早く作業できる:パステルは乾燥時間がないので、すぐに色を塗ることができます。また手で直接描くため、筆の準備や後片付けの手間が少なく済みます。

滑らかな仕上がりパステルは手で直接描くことができるため、滑らかなグラデーションや色の混合、柔らかな質感の仕上がりになります。

パステル絵の具の使い方

下地と絵具の準備
パステル用の特殊な紙や、紙にパステル専用の下塗りを施すことで、色の密着度や耐久性を高めることができます。パステルにはソフトパステルとハードパステルの2種類があります。ソフトパステルは柔らかく色彩が豊かですが、粉を出しやすいため扱いに注意が必要です。一方、ハードパステルは固めで粉を出しにくく、詳細な作業に向いています。

描く&仕上げ
パステルを手で直接触れながら、キャンバスや紙に色を塗ります。色を重ねたり、混ぜ合わせたりして、さまざまな質感や効果を表現することができます。パステルは乾燥が速いため、素早く仕上げることができます。完成した作品は、必要に応じて保護コートを施して保存します。

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