【動画あり】イラストレーター「Ree.」が塗り絵を塗ってみた。プロの色塗り方法をご紹介!

2022月05月25日 アート塗り絵コレクション

Ree.さんは、プロとしてイラスト関連のお仕事をしながら国内外の展示で数多くの作品を発表されているイラストレーターさんです。

皆さんはプロのイラストレーターが一体どのようにして塗り絵を塗っているのか、興味はありませんか?

プロならではの超絶技法とか、繊細な色のチョイスやグラデーションなど見てみたいですよね。

今回は、2022年3月に発売された、飾れるアート塗り絵第2シリーズ「アート塗り絵コレクション~旅・冒険編」に収録されたご本人の作品を実際に塗ってみた様子をご提供いただけましたので、皆さんにご紹介させていただきます。


掲載作品「旅の彩(いろどり)」

今回メイキングをご紹介させていただく掲載作品「旅の彩(いろどり)」は、透き通るような透明感と懐かしいヴィンテージ調の風合いを感じさせる作品で、特に温かみと重厚な雰囲気が特徴的である『額縁』が印象的です。

一体プロはどんな方法でこの作品を作り上げているのでしょうか。

早速こちらの作品のメイキングを見ていきましょう!

※本書に寄稿いただいた描き下ろし原画

使用画材

・色鉛筆(Color Dictionary IROJITEN vol.5 deep tone II, Tombow) 他
・ボールペン(白インク, uni-ball Signo)
   
身近にある画材で色塗りに挑戦したい!と思い、今回は色鉛筆とボールペンで着彩しました。アンティークな雰囲気を残しつつ、色鉛筆の重ね塗りの表現を活かして、着色原画の透明水彩とは違う重厚な風合いに仕上げています。


工程1

マスタード(黄土色)の色鉛筆で、フレーム全体を塗ります。

POINT:全体の色味を合わせるための下地になるので、力を抜いて薄くムラなく塗ると綺麗に仕上がります。


工程2

光沢感を表現するために、モスグリーン(濃いめの黄緑色)の色鉛筆で部分的に影を塗ります。

POINT:こちらも下地の色になるので、濃く塗りすぎないことがポイント。四つ角、四辺二ヶ所、線が交わる箇所に入れると自然に仕上がります。


工程3

焦茶色と赤茶色の色鉛筆で、濃いめの影とアンティークな色味を入れていきます。

POINT:焦茶色は、四つ角や小物との線が交わる部分から、シャッシャッと色鉛筆を一方向に動かしてグラデーションを作ると、より自然な影の表現に近づきます。赤茶色は影ではなくアンティーク調に仕上げるためのカラーになるので、全体的にまばらに色を入れます。色がつくかつかないか程度に、力を抜いてくるくると円を描くように薄く塗ると、色の境界ができずに自然に仕上がります。


工程4

焦茶色の色鉛筆で、リボンの裏面、葉っぱや水彩紙の周り、上部の本・時計などの装飾部分の凹みになる箇所に細く濃く焦茶色を塗り、全体の凹凸と物体の影を塗ります。

POINT:色鉛筆を削り、先端を細くすると細かい部分の色が塗りやすくなります。筆圧を強めにし、部分的に濃いめに着色することでメリハリと立体感が生まれます。


工程5

テラコッタ(煉瓦色)の色鉛筆で、部分的に赤みを足していきます。

POINT:赤茶色と同じように、くるくると円を描くように薄く塗ります。赤くなりすぎてしまったと感じた部分は、上からマスタード(黄土色)を重ねることで色馴染みがよくなります。


工程6

工程5で赤みを足した部分から薄く広げるように、バンブー(オレンジ色)の色鉛筆で色を重ねます。

POINT:色を馴染ませるために、赤い部分から黄色い部分へのグラデーションを意識しながら薄く色を塗ります。焦茶色で影をつけた額縁の凹み部分などにもオレンジ色を足すと、より深みのある色合いに仕上がります。


工程7

夜空の部分を塗っていきます。フレーム部分と同じマスタード(黄土色)の色鉛筆で下地を塗ります。

POINT:全体を薄くムラなく着色。


工程8

ティールブルー(青緑色)→インディゴ(紺色)→プラム(紫色)の順番に着色します。

POINT:外側から中心部分に向かって(外側)濃い→(中心)薄いとなるようにグラデーションを入れて、あえて色むらを作り、三色を少しづつ重ねることでステンドグラスのようなアンティークなテイストに仕上がります。全体をムラなく塗ってから、消しゴムで軽く擦って一部分を薄くすることもできます。


工程9

インディゴ(紺色)で、フレームと夜空の境界の部分に濃い影を入れます。

POINT:フレームの内側に線を引くイメージで、濃いめに縁取ると立体感が生まれます。


工程10

白インクのボールペンで星の部分を塗ります。お好みで、フレーム部分にもハイライトを入れて完成です!


完成版

色の重ね方や配色によって重厚感が増していく過程が分かりました。
色鉛筆とボールペン、身近にある画材なので、お手本に近い塗り絵ができそうです!


メイキング動画


インタビュー

Q. 作品制作のこだわりやコンセプトについて教えてください。

きらめく水面やあたたかい木漏れ日、繊細な中に力強さを秘めた草花・・・ 日常的に見る風景に潜む 「美しさ」や「光」を捉えて、想像の世界に溶け込ませた作品を制作しています。見てくださる方に希望を届けられるような作品を目指して、水彩、ポスターカラー、ペン、デジタルツール などを用いて物語や空気感を感じられるようなイラストを描いています。

Q. 今後の作家活動予定を教えてください。

2022年6月23日-7月3日
Message展(大阪/ Gallery IYN)

2022年7月14日-7月19日
国立植物園2022 (東京/ギャラリー国立)

2022年7月21日-7月31日
二部作展:天使と悪魔 第二部「悪魔の誘惑」展(大阪/ Gallery IYN)

その他、秋頃に東京でのグループ展出展を予定しています。
今後も展示情報などをインスタグラム・HPでイベント告知いたしますので、よろしければぜひチェックしてください !

作家プロフィール

Ree.
2017年University of Brighton School of Arts and Humanities 留学
留学先で風景スケッチを学び、スケッチブックを片手にヨーロッパを旅行する。
2021年広告代理店にて勤務。
イラスト制作・デザイン制作の個人活動を本格的に開始。
詳しくはこちら

【Instagram】【公式サイト】


書籍情報

書名:飾れるアート塗り絵 アート塗り絵コレクション~旅・冒険編~
発売日:2022年3月
定価: 1,650円(本体1,500円+税)
ISBN :978-4-9911614-1-4
A4判/並製/64頁



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