フルイドアート入門:基本的な種類、技法、やり方を簡単解説

アートを学ぶ

2025年02月04日

フルイドアート入門:基本的な種類、技法、やり方を簡単解説

手軽におしゃれなアートが作れると人気のフルイドアート。ワークショップやイベントで気軽に体験できることから、気になる方も多いアートです。この記事ではフルイドアートの種類や基本的なテクニックについて簡単にご紹介します。ぜひ新しいアート体験をしたいという方の後押しになれば嬉しいです。

フルイドアートとは?

フルイドアート(Fluid Art)は、液体状の絵の具を流し込むことで作り出される抽象的なアートの一形態です。ポーリングアート、たらしこみアートとも呼ばれます。

アクリルフルイドアート

フルイドアートの中でも特にアクリル絵の具を流し込む技法(アクリルポーリング)に特化したものを指します。具体的な手法が明確で、アクリル絵の具を用いて色の流れや混ざり合いを楽しむ技法です。

出典:Brian P Artwork (@brianp_artwork)

■レジンアート(Resin Art)

エポキシ樹脂を使用して透明感のあるフルイドアートを作る技法です。エポキシ樹脂は透明度が高く、作品に深みと透明感を与えます。光の反射や屈折が美しく、まるでガラスのような仕上がりになります。

出典:MrsResinMom(@ResinMom)

■エンカウスティックアート(Encaustic Art)

蜜蝋を使って作品を作る技法です。熱を加えることで絵の具が溶け、独特の質感と模様が生まれます。透明感のある層を重ねることで、深みのある色合いや光の反射を楽しむことができます。

出典:Cigar Concierge ™️(@SeattleCigars)

フルイドアートのテクニック

フルイドアートは流動性の高い絵の具やインクを使用して、偶然性と創造性を楽しむことができる現代アートの一種です。その魅力は、予測不可能な模様や色の広がりにあります。ここではフルイドアートを始めるための基本的なテクニックを紹介します。

フリップカップ(Flip Cup)

カップに複数の色の絵の具を層状に重ねて注ぎ、カップをキャンバスの上にひっくり返して流し込む技法です。異なる色の絵の具を層状に重ねることで、色の混ざり合いやグラデーションが美しく表現されます。

出典:Brian P Artwork (@brianp_artwork)

ブローアート(Blow Art)

エアブラシ、ドライヤー、ストローなどを使って絵の具を吹き流し、独特のラインや模様を作り出す技法です。絵の具の流れや動きを利用するため、作品にリズム感や動きを持たせることができます。

出典artresin(@artresin175114)

■ストリングプル(String Pull)

チェーンや紐に絵の具をつけてキャンバス上を引っ張りながら模様を作る技法です。この技法は、花や草などの自然なモチーフや抽象的なデザインを描くのに適しており、独特の優雅なラインと動きのある模様を作り出します。

出典Nichole Larenzo(@nlarenzodgrrl)

■スワイプ(Swipe)

キャンバス上に流し込んだ絵の具をペーパータオルやスパチュラで拭き取ることで、色の層が重なり合った独特の模様を作り出す技法です。スワイプの動きによって、キャンバス上の絵の具のテクスチャーが変化し、立体的な表現が可能です。

出典:Bliss Fluid Art(@BlissFluid)

■セルテクニック(Cell Technique)

セルテクニックは、絵の具が弾き合うことで細かいセル(細胞)状の模様を作り出す技法です。セルを作り出すために、シリコンオイルを数滴加えます。シリコンオイルは絵の具の中で油分が分離し、セル状の模様を作り出します。

出典:VanSaftenART(@VanSaftenART)

フルイドアートのやり方は?

基本的なフルイドアートのやり方をステップごとに説明します。

材料と道具

アクリル絵の具:様々な色のアクリル絵の具を用意します。高品質なものを選ぶと、色の発色が良くなります。

ポーリングメディウム:絵の具の粘度を調整し、流動性を高めるために使用します。アクリルポーリング専用のメディウムを使用すると良いでしょう。

シリコンオイル:セル(細胞)模様を作りたい場合に使用します。

プラスチックカップ:絵の具を混ぜるためのカップをいくつか用意します。使い捨てのプラスチックカップが便利です。

キャンバス:アート作品を制作するためのキャンバスを用意します。サイズや形は自由に選べます。

使い捨て手袋、新聞紙:手や作業スペースが汚れないように使用すると便利です。

■フルイドアートの手順

1.絵の具の準備
各色のアクリル絵の具をプラスチックカップに用意し、ポーリングメディウムを混ぜて適度な流動性を持たせます。絵の具が滑らかに流れるようになるまでメディウムを加えます。

2.カップに絵の具を注ぎ入れる
選んだ色の絵の具をカップに層状に重ねて注ぎます。色の順番や量を工夫することで、独特の模様やグラデーションを作り出すことができます。

3.カップをひっくり返す(フリップカップ技法)
カップをキャンバスの上に置き、一気にひっくり返して絵の具をキャンバスに流し込みます。この動作により、絵の具が自然に広がり、美しい模様が生まれます。

4.キャンバスの傾け
絵の具が流れ出たら、キャンバスを傾けて絵の具を広げます。この作業で、絵の具の流れをコントロールし、好みのデザインやパターンを形成します。

5.仕上げ
完成した作品を平らな場所に置いて乾燥させます。完全に乾燥するまでに数時間から数日かかることがあります。乾燥後、保護用のトップコートを施して作品を仕上げます。

出典:Emily Martin(@MrsMartinArt)

■フルイドアートを体験したい

自宅で色々と準備するのが大変、という方は気軽に参加できるワークショップや教室もあります。くまなどのフィギュアにペイントするポーリングベアアートも話題です。ご興味のある方は、ぜひワークショップに参加して、自分だけのアート作品を作りましょう!

カテゴリ:
アートを学ぶ