既存の素材を変える、異素材の組み合わせで表現する美術技法8選

アートを学ぶ

2025月01月10日

コラージュやミクストメディアからデコパージュや切り絵。なんとなく聞いたことはあるけれど何が違う?それぞれの技法の特徴を初心者の方に向けて簡単に解説します。創作のヒントやアイデアの参考にしてみてください。

コラージュ

コラージュ(Collage)はフランス語で「糊付け」を意味する言葉で、アートの分野でコラージュ技法が生まれたのはキュビスムが生まれた20世紀初頭のことです。主に紙、写真、布などの素材を切り取り、貼り付けて1つの作品を作る技法です。
絵画の分野における最初のコラージュ作品は、ピカソとブラックが共同生活をし、キュビスムを模索していた時期に作られた「パピエ・コレ」であると言われています。新聞紙などの紙片をつなぎ合わせたり、広告の包装紙やフィルム、ピンやボタンで留めたりする作品もありました。

ミクストメディア

ミクストメディア(Mixed Media)とは、絵画、彫刻、写真など、異なる素材や技法を複数組み合わせて制作された作品のことです。キャンバスに絵具で描き、その上にコラージュや立体物を組み合わせたり、彫刻に絵画的な要素を加えたりするなど、コラージュより幅広い技法や素材の組み合わせを指します。

ポップアートの代表的なアーティストであるリキテンシュタインが1990年に制作した《反射》シリーズは、絵画にプラスチックフィルムや金属ホイルなどを組み合わせて作られたミクストメディア作品です。

アッサンブラージュ

アッサンブラージュとは、様々な素材を組み合わせて一つの作品を作り出す技法、またはその作品そのものを指します。ミクストメディアの場合は素材の多様性を重視していますが、アッサンブラージュは立体的な構造を重視しているという違いがあります。

ジョゼフ・コーネルは、20世紀のアメリカを代表するアーティストの一人です。彼は、アッサンブラージュと呼ばれる技法を用いて、独特の箱作品を数多く制作しました。

切り絵

切り絵

切り絵(きりえ)は、紙を切り抜いて絵やデザインを作り出す伝統的な日本の技法です。デザインを紙に描くか、下絵を用意し、それに沿ってナイフやハサミを使って紙を切り抜きます。複雑で美しい模様や形を作り上げることが特徴とされています。

貼り絵/ちぎり絵

貼り絵またはちぎり絵は、和紙や色紙をちぎって貼り合わせ、1つの絵を作り出す技法です。ちぎることで紙の自然な質感や不規則なエッジが生まれ、独特の味わいと美しさを持つ作品が完成します。制作のプロセスは、まず紙を手でちぎり、色や形を考えながら配置し、糊を使って貼り合わせるというシンプルなものです。紙のちぎり方や貼り方次第でさまざまな表現が可能で、風景画、動物画、人物画など幅広い題材が取り扱われます。

デコパージュ

デコパージュ

デコパージュはフランス語で「切り抜くこと」を意味し、アート技法としては紙や布を切り抜いてオブジェクトの表面に貼り付ける装飾技法を指します。この技法は家具、箱、フラワーポット、アクセサリーなどの表面を美しく装飾するために広く用いられています。

ファウンド・オブジェ

ファウンド・オブジェとは、日常的に使用されている物や自然物などを、そのままあるいは少し手を加えて芸術作品として用いることを指します。例えば、自然物である石や木、街で見つけたゴミなど、様々なものがファウンド・オブジェとして使われます。身の回りにあるものを芸術作品にする、非常に自由度の高い表現方法です。

芸術家マルセル・デュシャンの作品、《泉》、《小便器》、《自転車の車輪》などが代表作として挙げられます。

モンタージュ

モンタージュ(Montage)は映画や写真、アートの制作において、複数の映像や写真などのイメージを組み合わせて、新しい意味やストーリーを持つ作品を作り出す技法です。時間の経過や出来事の連鎖を視覚的に示すために使用され、特に映画編集において重要な役割を果たします。
モンタージュは感情や物語の流れを表現することが主な目的であり、映像や写真を使用します。一方、コラージュは新しい視覚的効果やデザインを追求することが目的であり、紙、布、写真など多様な素材を使用します。

アートは誰でも楽しめる

今回紹介したこれらの技法は、経験を問わず、誰もが自分らしさを表現することができます。やってみたいけれど何を用意すればよいかわからない、本格的に学びたいかたは、アート専門の教室やワークショップを探してみてはいかがでしょうか?イニシャルギャラリーではアート専門のおすすめワークショップ情報を掲載しています。ぜひ体験したいアートを探してみてください。

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