【アート用語辞典】エディション、シリアルナンバーなど、基本的な用語を解説

アートを学ぶ

2024月11月05日

アート作品を購入する前に知っておきたい!エディション、シリアルナンバーなど、美術用語を解説。この記事では、これらの用語の意味や、作品選びに役立つ情報を解説します。アート鑑賞をもっと深く楽しみ、購入する際の参考にしてみてください。

エディション(Edition)

エディションは、芸術作品、特に版画や写真などの複製可能な作品において、同一の作品を何回複製したかを示す数値です。エディション: 100 → この作品は、合計100個複製されたということを示します。エディション数が限定されていると希少価値が高くなる傾向があります。

一方、エディション数を限定しないオープンエディションというものもあります。近年話題のNFTアートで例えると、NFTとして1枚だけ発売し1人だけが所有者になるのが従来のNFTですが、オープンエディションの場合、同じ絵を数に制限なく販売し多くの人が同じ作品を所有することができます。

シリアルナンバー(Serial Number)

シリアルナンバー(Serial Number)

シリアルナンバーは、個々の作品を一意に識別するための番号です。エディションの中で、それぞれの作品に付けられる番号で、作品が何番目に制作されたかを示します。例えば作品に16/20と表記されている場合、20枚のうちの16枚目に制作された作品であることを示します。

AP(Artist’s Proof)

アーティストが自己の記録や鑑賞のために制作する作品であり、一般に販売されるエディションには含まれません。

PP(Printer’s Proof)

印刷過程で作成された試作品で、エディションには含まれない場合があります。

ジークレー印刷

高解像度のインクジェットプリンターを用いて、原画の色彩や質感を最大限に再現する版画技法です。版を作る必要がないため、少量からでも印刷ができます。高品質な顔料インクを使用し、原画の細部まで忠実に再現できるため、美術作品や写真など、高品質な複製物を制作するのに適しています。

モノタイプ

版に直接絵具などを描き、その上に紙を置いて圧力をかけることで作品を作ります。一度印刷すると、版に残った絵具は次の印刷には使えないため、全く同じ作品は二度と作ることができません。一度しか印刷できないという点がモノタイプ特徴です。

木版画

木版画

木版画は、木製の版に図柄を彫りその凸部分にインクを乗せて紙に転写する凸版の一種です。彫刻刀などを使って版木を彫り、彫られた部分にインクを塗り、紙をあててバレンと呼ばれる道具で擦り込むことで、紙に絵柄が転写されます。この工程を繰り返すことで、多色刷りの作品も制作できます。

リトグラフ

石版画とも呼ばれる版画の一種です。平らな石(現在は金属板も)に描いた絵を、水と油の性質を利用して紙に転写する印刷技法です。描画した部分を油性にし、描画していない部分を水性にすることで、水と油の反発作用を利用してインクがつく部分とつかない部分を分けます。版面を彫ったりせず、平らなまま平版)印刷するため、繊細な線やグラデーションを表現できます。

シルクスクリーン

シルクスクリーン

孔版画の一種で、版に穴をあけて印刷する手法です。メッシュ状の版に絵柄の部分だけ穴を開け、インクを塗って印刷したいものに押し付け、穴の部分からインクが通って絵柄が転写される仕組みです。鮮やかな色彩と均一な仕上がりが特徴で、ポスターやTシャツなど、大面積の印刷に適しています。

銅版画

銅版画は、銅板に様々な技法で凹みをつけ、その凹みにインクを詰めて紙に転写する凹版画の一種です。ビュランと呼ばれる道具で直接銅板を削るエングレービング、耐酸性の液を銅板に塗り、酸で腐食させることでグラデーションを作るアクアチント、ロートと呼ばれる道具で銅板全体を覆い、スクレーパーで削り取り濃淡を表現するメゾチント、針や尖った道具で直接銅板をひっかいて線を描くドライポイントなど様々な技法があります。

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