【アート用語辞典】コラージュ、ミクストメディアなど、基本的な用語を解説

アートを学ぶ

2024月11月19日

アート作品を購入する前に知っておきたい!時代とともに変化する芸術表現で使われる美術用語を解説。この記事では、現代美術における主要な表現手法について、その特徴や代表作を紹介します。アート鑑賞をもっと深く楽しむ、購入する際の参考にしてみてください。

コラージュ

コラージュ

コラージュは新聞や雑誌の切り抜き、写真、布など異なる素材を貼り合わせて作る平面的な作品のことです。コラージュはキュビスムやダダイスム、シュールレアリスムなど、芸術表現の可能性を大きく広げ、現代美術に多大な影響を与えました。

例えば、パブロ・ピカソ《籐椅子のある静物》 (1912)は、籐椅子の模様が印刷されたオイルクロスを直接キャンバスに張り付けられた作品です。ピカソのコラージュは、当時の美術界に大きな衝撃を与え、コラージュが美術表現の重要な手法として確立されるきっかけとなりました。

ミクストメディア

ミクストメディアとは、絵画、彫刻、写真など、異なる素材や技法を複数組み合わせて制作された作品のことです。キャンバスに絵具で描き、その上にコラージュや立体物を組み合わせてみたり、彫刻に絵画的な要素を加えたりするなど、コラージュより広範囲な概念となります。

ポップアートの代表的なアーティストであるリキテンシュタインが1990年に制作した《反射》シリーズは、絵画にプラスチックフィルムや金属ホイルなど組み合わせて作られたミクストメディア作品です。

アッサンブラージュ

アッサンブラージュとは、様々な素材を組み合わせて一つの作品を作り出す技法、またはその作品そのものを指します。ミクストメディアの場合は素材の多様性を重視していますが、アッサンブラージュは立体的な構造を重視している違いがあります。

ジョゼフ・コーネルは、20世紀のアメリカを代表するアーティストの一人です。彼は、アッサンブラージュと呼ばれる技法を用いて、独特の箱作品を数多く制作しました。

ファウンド・オブジェ

ファウンド・オブジェとは、日常的に使用されている物や自然物などを、そのままあるいは少し手を加えて芸術作品として用いることを指します。例えば自然物である石や木、街で見つけたゴミなど、様々なものがファウンド・オブジェとして使われます。身の回りにあるものを芸術作品にする、非常に自由度の高い表現方法です。

芸術家マルセル・デュシャンの作品、《泉》、《小便器》、《自転車の車輪》などが代表作として挙げられます。

キネティックアート

キネティックアートは動的な芸術作品、つまり動く彫刻のことです。風や水といった自然の力、あるいはモーターなどの機械的な力によって作品が動き、静止画では表現できないようなダイナミックな視覚体験を与えてくれます。

20世紀を代表する彫刻家の一人、アレクサンダー・カルダーの動く彫刻「モビール」は、吊るされた抽象的な構成要素が、わずかな空気の流れや振動によってバランスを保ちながら、まるで生きているかのようにゆっくりと動き続ける彫刻です。

インスタレーション

インスタレーション

インスタレーションとは、特定の空間全体を作品として捉え、鑑賞者がその空間に没入し、五感を使って体験する芸術です。空間全体を作品にするため、鑑賞者は一点一点の作品を「鑑賞」するというより、作品に全身を囲まれて空間全体を「体験」することになります。

草間彌生の「無限の鏡の間」シリーズは、鏡を用いた空間の中に様々なオブジェを配置することで、無限に広がる空間を表現し、鑑賞者に視覚的な体験を提供する代表的なインスタレーション作品です。

パフォーマンスアート

パフォーマンスアートとは、時間と空間の中で行われるライブな表現です。芸術家自身が身体を使って、あるいは他の参加者と共に、観客の前で行為を表現します。

セルビア出身のパフォーマンスアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチの《The Artist is Present》は、美術館の椅子に座り、来場者一人ひとりと見つめ合うというパフォーマンスを行いました。

インタラクティブアート

インタラクティブアート

インタラクティブアートとは、鑑賞者(観客)が作品に直接関わり、作品が鑑賞者の行動に反応するような、双方向性の芸術です。観客が作品の一部となり作品を完成させたり、観客の行動によって作品が変化したり、鑑賞者と作品との間に、新たなコミュニケーションを生み出します。

マイロン・クルーガーの《Videoplace》 (1975)は、鑑賞者の動きに反応して映像が変化する初期のインタラクティブアート作品の一つです。

コンセプチュアルアート

コンセプチュアルアートは日本語で概念芸術とも呼ばれ、芸術作品の形式や美的価値よりも、アイデアや思想を重視し発展した前衛芸術運動です。作品の完成品よりも、その背景にあるアイデアや概念を重視し、芸術とは何かという問いに対して、新たな答えを探る試みとして、コンセプチュアルアートは生まれました。
アメリカのコンセプチュアル・アーティスト、ジョセフ・コスース《1つと3つの椅子》は代表する作品の一つです。

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