「花や果物・動物などの形を借りて自分の世界観を表現」柳澤弥代恵インタビュー

「花や果物・動物などの形を借りて自分の世界観を表現」柳澤弥代恵インタビュー

2024-05-09 作家インタビュー

柳澤弥代恵 / ARTISTS

薄く溶いた油絵の具をペインティングナイフやローラを使って制作している柳澤弥代恵さんに、作家を志したきっかけや作品に対する想いについて詳しくお話を伺いました。



柳澤弥代恵

学生時代に早々に諦めた夢を、大人になった今もう一度追いかけてみようと思いました。
心が癒されたり元気になれるような、色彩豊かな絵を目指しています。
薄く溶いた油絵具を何層にも塗り重ねて描いています。1枚1枚試行錯誤しながら制作しているので、全て1点もののオリジナルになります。

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「やっぱりまた絵を描きたい!」


Q. 「学生時代に諦めた夢をもう一度追いかけてみようと思いました」とプロフィールにあり、とても素敵だなと思いました。そのように思ったきっかけを教えてください。


幼い頃から絵を描くのが好きでしたが、高校生になって進路を決める時に「まさか絵でなんて食べていける訳がない」と何も挑戦することなく、全く違う道に進みました。
時折無性に絵が描きたい衝動に駆られることもありましたが、仕事として選ばなかった以上私にとって絵は「趣味」であり「無駄」なことになっていました。

そんな考えが変わったのは、子供を出産してからです。
子育てを通じて自分自身の人生を振り返った時、自分の好きなものが子供の頃から全く変わっていないことに気付きました。
そして「やっぱりまた絵を描きたい!」という思いが、日に日に強くなっていきました。



Q. 作品を制作する上で大切にしていること、コンセプトやテーマについて教えてください。


毎日の生活の中で辛い事や悲しい事など色々あると思うんです。
それは自分自身の事だけでなく、世の中の暗いニュースとかも…心が疲れてしまう事が多いです。
だからせめて絵の中だけは幸せな気持ちで満たしたい!そんな思いでいつも制作しています。


Q. 日々の作品制作にあたりルーティンやリフレッシュ方法、モチベーションを保つためにしている事などありましたらお聞かせください。


一番のリフレッシュはお気に入りの温泉スパに行くことです。そこの敷地内には美しいお庭があり、いくつかのレストランやショップなどもあります。
時々花や建物をスケッチしたり、資料用に写真を撮ったりすることもあります。

モチベーションになるのは、やはり展覧会を見に行くことです。
素晴らしい絵を目の当たりにすると自分はまだまだ勉強することが沢山あるな…と落ち込むこともありますが、もっと上達したいもっと魅力的な絵を描きたい、という気持ちが改めて強くなります。



「心が癒されるような、いつまでも見続けていたいような、そんな絵を目指して」


Q.柳澤さんの作品は、ふんわりと柔らかい印象でとても魅力的です。作品を通して表現したいこと、伝えたいことについてお聞かせください。


私の絵は特に決まったモチーフはなく、花や果物・動物などの形を借りて自分の世界観を表現しています。
だからパッと見て何なのかわからいような絵もありますが、それでいいと思ってます。心が癒されるような、いつまでも見続けていたいような、そんな絵を目指しています。



Q. 柳澤さんの作品は油彩で描かれていますが、押し花のような層の重なりや柔らかな質感はどのように表現されているのでしょうか?


薄く溶いた油絵の具をペインティングナイフやローラを使って塗り重ねています。
下の色を完全に隠さず所々見せたり透明色を重ねたりして、絵の上で色の深みを出すことを意識して描いています。



Q. どのようなときにインスピレーションを感じますか?


例えば店先で綺麗な色の花を見た時や、子供と行った水族館や動物園で愛らしい生き物を見た時、夕焼けの空のグラデーションとか、ガラスの器の透ける色の感じ、果物のユニークなフォルムとか…特別なことは何もなくて日々の生活の中で自分が「これを絵にしたら素敵かも」と思ったものを描いています。
風景などはそれを直接絵にするわけではないですが、配色の参考にしたりします。


Q. 普段どのような場所で制作活動をされていますか?


自室の一角をアトリエコーナーにして、そこで制作しています。



Q. ご自身の作家活動において影響を受けた人物や出来事などはありますか?


初めて油絵を習った二科会会員の藤田由明先生や絵画教室の先輩方です。
この絵画教室に通っていなければ、今私は全然違う絵を描いていたと思います。


Q. 今後、作家活動で挑戦したいことはありますか?


いつか完全な抽象画を描いてみたいです。
例えば音楽から絵をイメージして描くとか、自分の心情を表現するなど。
抽象画って一見簡単なようで、実は一番難しいのではないかと思います。

あとは、引き続き公募展に挑戦していきたいと思っています。
・新潟県美術家連盟の会員になる
・新潟県美術展覧会の無監査になる
この2つを目標に頑張りたいです。
美術団体については賛否両論あると思いますが、今の私にとっては価値のあるものだと思っています。


今後の展示情報




第31回アークベル県民アマチュア絵画展
・新潟市 ブライダルステージデュオ/2024年4月18日~21日
・長岡市 長岡ベルナール/2024年5月11日~12日
・上越市 デュオセレッソ/2024年5月25日~26日 

 【グループ展】 

「花飾り2024」/gallery IYN(大阪市) 2024年5月24日~6月2日

第56回新潟市美術協会展/新潟市美術館 2024年10月(会期未定)

INTERVIEW

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