コラージュ、フロッタージュ、デカルコマニー、スクラッチ、吹き流し、ステンシル【モダンテクニック②】

アートを学ぶ

2024年05月16日

「モダンテクニック」とは現代の絵画技法の一つで、偶然にできた色や形を使って表現する技法を指します。これらの美術技法は絵画やアート作品に独特の表現をもたらし、異なる模様やテクスチャーで表現の幅を広げてくれます。この記事では美術技法の特徴ややり方をご紹介します。経験やスキルの有無に関係なく、アートを楽しむ方法として参考になれば嬉しいです。

コラージュ

コラージュ

コラージュは20世紀初頭にフランスの芸術家たちが発展させたモダンアートの技法の一つです。異なる素材や要素を組み合わせて一つの作品に仕上げるこの技法は、芸術の新たな表現方法として多くのアーティストに影響を与えています。

コラージュの基本技法

  1. 素材の選定: コラージュでは、使用する素材が重要です。新聞、雑誌、写真、布、紙、木片、金属片など、どんなものでも素材として使用できます。
  2. 切り抜きと配置: 素材を切り抜き、キャンバスやベースとなる素材の上に配置します。バランスや構図を考えながら配置することがポイントです。
  3. 接着: 素材をベースに貼り付けます。接着剤や糊、スプレー接着剤などを使用します。しっかりと貼り付けるために、素材の厚さや質感に応じた接着剤を選びましょう。
  4. 仕上げ: 全体のバランスを見ながら、追加の素材や色を使って仕上げます。塗料やインクを使ってアクセントを加えることもできます。

フロッタージュ

フロッタージュ

フロッタージュは物体の表面の質感や模様を紙に転写する技法です。この技法は、紙を物体の表面に置き、鉛筆やクレヨンでこすって模様を写し取ります。シュルレアリスムの芸術家であるマックス・エルンストがこの技法を用いて、ユニークな作品を作り出したことでも知られています。

フロッタージュの基本技法

  1. 準備: 転写したい表面の物体と紙、そして鉛筆やクレヨンを用意します。
  2. 紙を配置: 転写したい表面に紙をしっかりと押し当てます。
  3. こする: 鉛筆やクレヨンを使って、紙の上から物体の表面をこすります。すると、表面のテクスチャが紙に転写されます。
  4. 仕上げ: 必要に応じて、転写された模様を使って絵を描いたり、他の技法と組み合わせたりします。

スクラッチ

スクラッチ

スクラッチは紙やボードに描かれたベースの色を削り取ることで、下地の色を露出させ、絵やデザインを作り出す技法です。特に黒いインクや塗料でコーティングされた表面を削ることで、美しいカラフルな絵が現れるのが特徴です。

スクラッチアートの基本的な手順

  1. 準備: スクラッチボードやスクラッチペーパーを用意します。専用のスクラッチツールや、竹串、カッターなども使用できます。
  2. デザインの下描き: 下描きが必要な場合、紙の上に軽くスケッチすることもできます。ただし、直接削っていく方が自由な表現が可能です。
  3. 削る: スクラッチツールを使って、表面の黒いインクや塗料を削り取ります。削る強さや角度を変えることで、細かい線や面積を調整できます。
  4. 仕上げ: 全体のバランスを見ながらデザインを完成させます。必要に応じて、追加の色を加えることも可能です。

デカルコマニー

デカルコマニー

デカルコマニーは20世紀初頭のシュルレアリスム全盛のフランスで生まれた技法です。フランス語で「転写」を意味する言葉で、例えば紙の上に絵の具を垂らし、その上から紙を重ねて離すと、思いもよらない模様が立ち現れます。

デカルコマニーの基本技法

  1. 絵具の準備: 水彩絵具やアクリル絵具を使用し、紙やキャンバスにランダムに塗布します。厚めに塗ることで効果が高まります。
  2. 押し付け: 別の紙やキャンバスを上から押し付けます。均一に押さえることで、絵具が広がり独特のパターンが生まれます。
  3. 剥がす: 上から押し付けた紙やキャンバスを慎重に剥がします。このとき、絵具が引き伸ばされ、複雑な模様が形成されます。
  4. 乾燥: 乾燥させて完成です。必要に応じて追加の絵具や手法を加えることも可能です。

吹き流し

吹き流し

吹き流しは液体絵具を吹き流すことで独特な模様やデザインを作り出す方法です。この技法は通常の筆やブラシを使わずに、口やストロー、エアブラシなどを使って絵具をキャンバスに吹き付ける技法です。

吹き流しの基本技法

  1. 準備: キャンバスを水平な場所にセットし、絵具を吹き流すための道具を用意します。
  2. 絵具の配置: キャンバスの上に絵具を滴下します。複数の色を使うことで、より豊かな表現が可能になります。
  3. 吹き流し: ストローやエアブラシを使って、絵具をキャンバス上で吹き流します。吹く角度や強さを変えることで、異なる模様や効果が得られます。
  4. 仕上げ: 必要に応じて、さらに絵具を追加したり、吹き流しの工程を繰り返したりします。

ステンシル

ステンシル

ステンシルとは模様や文字を切り抜いた板やシートを使用して、塗料やインクをその上から塗ることで、下に同じ模様や文字を写し取る技法です。同じデザインを複数回、正確に再現することができます。

ステンシルの基本技法

  1. デザイン作成: ステンシル用のデザインを選び、それをステンシルシートに写します。
  2. 切り抜き: デザインの部分をカッターやナイフを使って切り抜きます。
  3. 固定: ステンシルシートを塗りたい表面に固定します。テープなどを使うと動かないようにできます。
  4. 塗布: スプレーペイント、ブラシ、スポンジなどを使って、ステンシルシートの上から塗料やインクを塗布します。
  5. 取り外し: 塗料が乾いたら、ステンシルシートを慎重に取り外します。

アートは誰でも楽しめる

今回紹介したこれらの技法は、経験を問わず、誰もが自分らしさを表現することができます。やってみたいけれど何を用意すればよいかわからない、本格的に学びたいかたは、アート専門の教室やワークショップを探してみてはいかがでしょうか?イニシャルギャラリーではアート専門のおすすめワークショップ情報を掲載しています。ぜひ体験したいアートを探してみてください。

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