アクリル絵の具の特徴。種類や基本技法をまとめて解説

アートを学ぶ

2025年04月29日

アクリル絵の具とは、アクリル樹脂を主成分とした絵の具の一種です。その最大の特徴は、水で薄めて使うことができ、乾燥すると耐水性になる点です。油絵のような厚みのある描写から、水彩のような透明感のある描写まで、幅広い表現が可能です。

アクリル絵の具の長所

1.速乾性
アクリル絵の具は非常に速乾性が高いため、短時間で次の工程に進むことができます。これにより作業効率が向上し、特に締め切りがある場合やスピーディーに作品を仕上げたい場合に最適です。

2.耐水性
アクリル絵の具は耐水性を持つため、完成した作品は湿気や水に強く、長期間保存が可能です。アクリル絵の具の速乾性は、その主成分であるアクリル樹脂の特性によるものです。水で溶いた絵の具は乾燥で水分や溶剤が蒸発し、アクリル樹脂が硬化して強い塗膜を形成します。この塗膜は水に不溶性となる化学的構造を持つため、乾燥後には耐水性を持つのです。

3.多用途性
アクリル絵の具はさまざまな素材に使用できます。キャンバスだけでなく、紙、木材、布、プラスチック、ガラスなど、ほとんどの表面に描画可能です。
ガラスや一部の金属、防水加工がされた素材や油が付着した表面などは絵の具が定着しにくいです。ただし、素材によっては専用プライマー(下地材)を塗ることで密着力を向上させることが可能です。

4.表現力の幅広さ
不透明性と透明性の両方を活かせるため、油絵のような厚みのある塗りから水彩画のような繊細なにじみまで、多様なスタイルに対応可能です。

アクリル絵の具の短所

1.速乾性ゆえの調整の難しさ

アクリル絵の具の速乾性は便利な一方で、色の混ざり具合や描画の調整に時間的な制約が生じやすいという点で難しさがあります。例えば、グラデーションを作りたい場合、絵の具がすぐに乾いてしまうとスムーズな移行を実現するのが難しくなります。また、乾燥後は塗膜が硬化して耐水性になるため、一度塗った部分を再度なじませたり混ぜたりすることができません。

2.乾燥後の色味の変化

絵の具には水分が含まれていますが、乾燥する過程で蒸発します。乾燥すると樹脂が硬化し、表面が少しマットになったり透明度が変化したりすることで、色が暗く見えることがあります。

3.色が痩せてみえる

アクリル絵の具は乾燥する際、水分や溶剤が蒸発することで塗膜がわずかに収縮します。モデリングペーストを使用することで、より安定した立体感を保つことができます。

他の絵の具との違い

アクリル絵の具、水彩絵の具、油絵の具はそれぞれ異なる特性を持ち、使い方や表現方法が大きく異なります。以下に、それぞれの特徴と違いを簡単にまとめてみます。

1.バインダー(接着剤)との違い

アクリル絵の具:顔料+水+アクリル樹脂
水彩絵の具:顔料+水+アラビアゴム
油絵の具:顔料+溶き油+乾性油

2.乾燥時間の違い

アクリル絵の具:非常に早い
水彩絵の具:早い
油絵の具:非常に遅い

アクリル絵の具は溶剤が蒸発するとすぐに硬化して耐水性の塗膜を作り、早く乾燥します。水彩絵の具も乾燥はアクリルほど速くはないものの、自然乾燥が進みやすい軽い塗膜のため、比較的短時間で乾燥します。一方、油絵の具は乾性油をバインダーに持ち、酸素との化学反応(酸化重合)によって硬化するため、数日から数週間と非常にゆっくり乾燥する特性があります。

3.耐水性の違い

アクリル絵の具は乾燥後に耐水性になりますが、水彩絵の具は乾燥後でも水で再溶解するため耐水性はありません。油絵具は乾性油をバインダーとして使用し、乾燥後には強固な塗膜を形成するため高い耐水性があります。

アクリル画で使う道具

アクリル画で使う道具

水彩画に使用する道具はいくつかあります。以下は基本的な水彩画の道具の一覧です。

  • パレット:絵の具を混ぜるためのパレットが必要です。乾燥した絵の具をすぐ捨てられる紙パレットは便利です。
  • 筆洗:筆を洗うための水容器が必要です。複数口あると、洗う用とすすぎ用を分けることもできます。
  • :ナイロン製の筆はアクリル絵の具に特によく適しており、耐久性があります。
  • 支持体:アクリル絵の具は乾燥すると耐水性があるため、幅広い素材で使用可能です。
  • パレットナイフ:絵の具を混ぜたり、厚みのある表現をしたいときに便利です。

アクリル画作品

イニシャルギャラリーオンラインショップにて出品中のアクリル画作品を一部ご紹介します。風景画や人物画、抽象画など、モチーフやアーティストによって全く異なる絵を楽しむことができます。ぜひ色々な作品を鑑賞してみてください。

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