【後編】箱根の美術館巡り、日帰り一人旅

アートを旅する

2024月12月30日

前編のラリック美術館とガラスの森美術館を訪れた記事(前編はこちら)に続き、今回は箱根の美術館巡り午後の部をまとめてまいります。箱根にはたくさんのミュージアムがあり、貴重な作品が鑑賞できるだけではなく、アートに興味がない方でも楽しくなるような展示がたくさんあります。

横浜から一人、交通機関と徒歩のみの移動の日帰り旅スケジュールです。一人でも楽しめる?車なしだときつい?とお悩みの方の参考にもなれば幸いです。

POLA美術館

バスに乗り遅れたミス

ガラスの森美術館の前にあるバス停からPOLA美術館前で下車するバスに乗ることができます。平日だと1時間に2本(04分、34分発)なのですが、時間配分を間違えて乗りたかった時間を逃してしまいました。約30分も外で待っているのは辛い…と思ったのですが、なんとガラスの森美術館は当日に限り再入場可能。再びバスが来るまで楽しませていただきました。

バスを降りて早速ワクワク

今度こそ時間通りバスに乗車。約10分ほどでPOLA美術館前に到着します。スタイリッシュな入口に迎えられ、両脇の森を見て「何かがいる!」通路に差し掛かり「何かがいる!」と、あちこちにいるオブジェにワクワクが止まりませんでした。

POLA美術館
スタイリッシュなデザイン
POLA美術館
人の横顔?
POLA美術館
入館者を見守っている?

現代アーティストの企画展

POLA美術館の入館料は大人2,200円。常設展、企画展を鑑賞することができます。訪れたときは、フランスの現代美術家、フィリップ・パレーノの「この場所、あの空」が開催されていました。美術館というと、絵画やオブジェなど止まっているものを鑑賞する、というイメージがありますが、空中に浮遊する魚のバルーンが漂う空間を歩いたり、音や光が切り替わったり、動いたり、「これは何だろう」と考えるようなインスタレーション作品が展示されています。

POLA美術館
入口に浮かぶ無数の…?

常設展のコレクションもすごい

ポーラ美術館の常設展は、近代絵画のコレクションが魅力です。モネの「睡蓮」シリーズやルノワールの「レースの帽子の少女」など印象派を代表する作品や、ピカソ、モディリアーニなど20世紀を代表する画家の作品も鑑賞することができました。

約30億円で落札された現代美術の巨匠、ゲルハルト・リヒターの作品も展示されていました。ネットで検索した画像とはやはり違って、絵具の質感や色の混ざり合いなど、実物を見れてよかったと感じます。

POLA美術館
niŭ《しあわせな犬 》2016年

ポーラ美術館
〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285
https://www.polamuseum.or.jp/

シャトルバスに乗り込む

ポーラ美術館には全長1kmの「森の遊歩道」があり、自然と彫刻を楽しみながら散策することができます。しかし今回は時間の都合上断念。次の目的地に向かうため、ポーラ美術館が運行している無料送迎バスを利用しました。1日13便、約30分間隔での運行で、強羅駅まで無料で行ける非常にありがたいサービスです。乗り場はポーラ美術館がある道路を挟んだ向かい側にあります。

POLA美術館
無料のシャトルバス

どうするランチタイム

シャトルバスに乗り、強羅駅に到着。時間は14時頃で、まだランチ営業しているお店を急遽検索しました。気になるお店を見つけたものの、営業終了時間は15時。googleマップで確認するとほぼ平坦なルートで道のりは約15分。ラストオーダーは見つけられなかったため、迷っている時間が勿体ないと、とりあえず向かってみることにしました。

すごい山道

徒歩15分の平坦とありましたが、実際に行ってみると、ほぼ階段。山道の道路脇に作られた道をひたすら下るルートでした。悪いタイミングで雨が振り出してきて、傘を差しながら急な階段を下り続けるというハードモードでした。(※必死で写真は撮れませんでしたが、下記googlemapをご参考ください)

ぱんのみみ

階段をひたすら下り、目的地である「ぱんのみみ」に到着しましたのは14時半頃。入店できるのか不安でしたが、暖かく迎えていただき、雨と山道でくたくたな心が癒されました。到着したときには席はほぼ満席。平日でも人気なことがうかがえます。

注文したのは、名物としてもおすすめされている「ぱんグラタン」ほぼ1斤のパンの中に、たっぷりのシーフードやチーズがぎっしり詰まったグラタンは見た目のインパクトも味も抜群です。これで戻りのあの山道も耐えられそうです。

ぱんのみみ
かわいらしい外観
ぱんのみみ
ボリュームがすごいです

ぱんのみみ
〒250-0401 箱根町宮城野170番地
https://hakonepannomimi.web.fc2.com/index.html

彫刻の森美術館

最終目的地

先ほどの山道を今度は戻り、最終目的地である彫刻の森美術館を目指します。強羅駅から電車が出ていますが、徒歩15分で行くこともできます。

入館料は大人2,000円ですが、事前に購入できるWEBチケットであれば大人1,800円で入館することができます。彫刻の森美術館はほとんどが屋外展示なので、荷物は入場ゲート近くにあるロッカールームを使うと身軽に歩き回ることができます。

広大な敷地内には、国内外の著名な彫刻家たちの作品が約120点も展示されていて、ロダン、ムーア、ミロなど、近・現代を代表する彫刻家の作品が楽しめます。子供たちが作品の中に入って遊べる「プレイスカルプチャー」や、足湯に浸かりながら彫刻鑑賞ができる「温泉足湯」など、体験型のアートもありました。

貴重な彫刻は室内で厳重に保管されているイメージがありますが、《太陽の塔》で有名な岡本太郎の作品や《地獄の門》が代表作のロダンの作品など、誰しもが聞いたことのある巨匠の作品が当たり前のようにそこにあります。

また、見ていて不思議な形や子供たちが面白がりそうなモチーフなど、広い敷地の中に溶け込んでいる作品を見つけるのはとても面白かったです。

彫刻の森美術館
雨に濡れる目玉焼きのベンチ
彫刻の森美術館
《密着 Ⅲ》1993アントニー・ゴームリー (イギリス 1950-)

写真映えスポットがたくさんある中でも人気がある《幸せをよぶシンフォニー彫刻》は、高さ18mにもなる登れる塔です。中に入ると鮮やかなステンドグラスが壁面全体を覆っていて、天候の悪い日でしたが室内の暗さと相反して幻想的に輝いて見えました。

中はエレベータはなく螺旋階段のみです。ちょっと高所恐怖症なので途中で諦めそうになりましたが、なんとか頂上まで行くことができました。全体を見渡すことができるので、ぜひご自身の目で楽しんでみてください。

彫刻の森美術館
ビル5階分の高さらしいです。
彫刻の森美術館
700色のガラスのかけらが使われているそうです。

ピカソについて学ぶ

閉館時間が迫る中、最後に向かったのはピカソ館です。ピカソというとキュビズムという絵画様式の作品を思い浮かべますが、ピカソ館では花瓶やお皿など絵画以外の貴重な作品が展示されていました。

パブロ・ピカソという名前が一般的に知られているかと思いますが、実はフルネーム(洗礼名)はとても長いということをご存じでしたか?フルネームはパブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピニアノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソさんです。

生涯での出来事が作品に反映されていて、ピカソとはこういう人物だったんだということを楽しみながら学ぶことができて見ごたえある展示でした。

彫刻の森美術館
建物がおしゃれ

一人ならフットワークも軽く、ちょっと遠回りをしたり狭い小道に入ったり探検気分で楽しむことができます。体験型アート作品もあるので大人だけでなく、子供もワクワクで楽しいミュージアムでした。

彫刻の森美術館
〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
https://www.hakone-oam.or.jp/

自然と芸術を満喫

彫刻の森美術館から徒歩数分で電車があるので、あとは乗り継いで横浜駅に到着です。弾丸となりましたが、箱根ラリック美術館→ガラスの森美術館→POLA美術館→彫刻の森美術館と4つのミュージアムを徒歩と電車、バスで巡ることができました。

箱根の一人旅で何をしよう、車がなくても平気かなと悩んでいたら、少しでも参考になれば幸いです。
ぜひ箱根に行く際は素敵な作品に出会いにいってみてください!

箱根
やっぱり温泉入りたかったですね!

※2024年11月時点のレポートとなります。最新情報は各公式ホームページからご確認ください。

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