アート塗り絵コレクション掲載作家 YOKATAインタビュー 2022-04-13

YOKATA/イラストレーター

「アート塗り絵コレクション 〜旅・冒険編〜」に作品掲載のYOKATAさんに塗り絵作品に込めた想い、ユニット結成の秘話など詳しくお話を伺いました。


Mystery

YOKATA/イラストレーター

富山県生まれ
2002 多摩美術大学絵画学科油画専攻 卒業
2014 グラフィックデザイナーを経てイラストレーターとして独立
2020 イラスト・キャラクター制作会社「PORTLAB合同会社」を設立
横浜市在住
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Q. 今回のご応募にあたり、塗り絵の制作は過去にご経験ございましたか? また、塗り絵として作品を制作するのに意識された点などありましたか?率直にご感想もお聞かせください。



塗り絵の制作は初めてでした。
私の絵は割とシンプルなため、塗り絵には不向きかなと思っていたところ、友人のJUNCOと仕事を一緒に手掛ける機会があり、繊細で柔らかな絵が描ける彼女となら挑戦してみるのも面白いかなと思い、誘ったのが参加のキッカケです。

塗り絵の制作として意識した点は、「繊細」で「説明のつく」描写です。細かな描写ほど塗り絵として楽しんでいただけると思いますし、また色を塗っていて「つじつま」が合わなくなるような(例えば洋服を塗っていたのにいつの間にか肌になっているような)描写は出来るかぎりないよう注意しました。


Q. 「Mystery」作品のテーマについて教えてください。


2人で塗り絵を作ることに決めた後、まずはJUNCOに描きたいものをいくつかピックアップしてもらったのですが、その中に「クラシックカー」と書いてあり、とても意外なチョイスで印象に残りました。
そこからイメージを広げ、作品の舞台を「中世〜近代ヨーロッパ」に。さらに鏡やオウムといった他のアイテムからミステリアスな雰囲気を感じ、「探偵の女の子が謎を解く旅に出る」というテーマに決めました。

とくにミステリアスな雰囲気を強めているのが鏡の中の女性です。『謎解きのヒントをくれるのか、それともますます謎を深めるのか…』JUNCOはそんなイメージで鏡の女性を描いたそうです。



絵の世界を一段階深くしてくれる、お気に入りのアイテムのひとつです。


Q. 今回参加アーティストの中で唯一ユニットでのご参加となりましたが、どのように作品を仕上げていくのかとても気になりました。作品が完成するまでのエピソードを教えてください。


YOKATA

この企画の募集を知った時、面白そうだなと興味はあったのですが、前述したように自分の絵のテイストは「塗り絵」にはシンプルすぎて不向きだなと思っていました。ただ、ちょうどその時期に一緒に大学時代からの友人であるJUNCOと一緒に仕事をする機会があり、彼女なら細かい描写でモチーフが描けるのではと思い、誘ってみました。
彼女は美大時代の同級生でもありますが、卒業後にイラストなどの仕事はしていなかったので、やりたいかどうか、また子育てなどで忙しいかなと思ったのですが、意外とポジティブな返事をもらい、そこからユニットで参加しようとなりました。



まずは彼女に描きたいものをリストアップしてもらったのですが、その中に「クラシックカー」とあり、ちょっと驚きました。同じ教室で絵を描いた仲なのに、「クラシックカー」を描くのが好きだとはまったく知らなかったので…笑 これをモチーフとしてチョイスする作家さんは少ないだろうと思ったので、是非入れようと思いました。

全体の世界観のイメージも共有できたので、次に私がレイアウト(絵の構成)を考え、さらにざっくりとした鉛筆ラフを作成、このラフをもとに、JUNCOがモチーフを描いてくれました。彼女からどんな絵が上がってくるのか楽しみで待っていたのですが、モチーフの複雑さもあり、ちょっと心配でもありました。が、仕上がってきた絵がとても素敵で…その時に「これはいける!」と思いました。笑 彼女的には、慣れないデジタルでの作業やデータのやり取りに苦労したようでしたが…

次に、あがってきたたくさんのモチーフを、サイズなどのバランスを整えながら配置し、私の方で進めていたメインの女の子と組み合わせました。その際に、女の子の外枠をあえて太くすることと白い影を挟むことで、線やテイストの違いによる違和感がないよう調整していきました。

最終的には、初めてのユニットとしてはなかなかかなと思っています!
もちろん反省点も多々ありますが、自分とは違う人間だからこそ、互いに「どんな発想をしてくるのか、どんな絵が上がってくるのか」というワクワク感があり、充実した経験になりました。またぜひ、今後も2人でユニット作品を作りたいと思っています。

Q.「Mystery」の着彩見本では、ピンクがメインカラーで使われていてとても可愛い印象ですが、着彩する際のポイントやこだわりなど教えてください。



まずはメインの色をピンクに決定し、それを全体に塗ります。その後、ポイントで他の色を入れていく…という感じで全体の統一感を損なわないよう彩色を進めました。ポイントとしては、最初の色数はできるだけ絞り込むことと、実際の色(例えば「車」=グレーなど)に捉われすぎないことかなと思っています。
画面全体をひいて見ながら塗り進めることも意識していることです。

私たちの絵を塗っていただく皆様には、私のサンプル色に捉われず、水玉模様にしたりダークな配色にしたり、自分の好きな表現で塗っていただけると嬉しいです!


Q.YOKATAさんの描かれるイラストは、シンプルでわかりやすくとても温かみを感じます。普段イラストを制作される上で意識している点などはありますか?



普段のお仕事のイラストでは、やはり「分かりやすさ」を大事にしています。周りのデザインをじゃますることなく、クライアントが伝えたい内容が「ストン」と入ってくるような作品を心がけています。

イラストレーターとして独立してからは、上記のようにご依頼いただいた絵を描くことがメインだったのですが、最近になってようやくオリジナルのイラストを描くようになりました。あらためて「自分は何を描きたいか」「どう描きたいのか」を考える日々です。シンプルな線だからこそ、柔らかな感触や空気の動き、心地よい重みなどを表現できたらと心がけています。そして、見てくれた人にそっと寄り添えるような作品を目指していきたいと思います。



Q. 日々の生活で、ルーティンやリフレッシュ方法などありましたらお聞かせください。


休む時はしっかり休み、少し絵から離れることが私のリフレッシュ方法です。

朝から夕方まで絵を描く仕事をし、それが終わってからはオリジナルの制作。多くのイラストレーターさんもそうだと思いますが、描いていない時間もつい絵のことを考えてしまいます。せめてオフの時間は、スポーツを観戦したり、野生動物のドキュメンタリーを観たり…とにかく絵や芸術からはちょっと遠いジャンルで楽しんでいます。(スポーツはテニスやサッカー、柔道などが好きですが、最近はボクシングや総合格闘技(UFC)もよく観ます。周囲に観戦仲間が少ないのが悩みですが…)

旅も好きなのですが、あえて絵が描けない環境でインプットのみの時間を作り、次の作品の着想やモチベーションが得られるようにしています。



Q.自身の作家活動において影響を受けた人物や事柄などはありますか?


ベン・シャーンや昔の日本画が好きで、線や構成の「いさぎよさ」みたいなものにとても惹かれます。

絵を見てくれる方、家族や友人、仕事の関係者などお世話になった方、そして自分自身に対して、嘘やごまかしのない「いさぎよい」絵を描きたいと日々思っているので、そういう意味では出会った方皆さんに影響を受けており、人としてもイラストレーターとしても精進していきたいです。



Q.今後、作家活動で挑戦したいことはありますか?

絵の販売やグッズ化、また、いつかは個展に挑戦したいです。
JUNCOとはもちろん、他の方とのユニット・コラボでの作品作りや企画にも興味があります。


Q. 「アート塗り絵コレクション」出版プロジェクトは、イニシャルギャラリーの作家支援プロジェクトの一つになりますが、このような取り組みについてどう思われますか?


とても素敵な取り組みだと思います。
募集の間口の広さや、その後の作家ページを作成していただけることなどのソフト面はもちろんのことですが、私としては「色を塗る」という行為で作品世界を直接楽しんでもらえる「塗り絵」の企画だという点が素晴らしいなと思っています。


今後の予定



絵の販売や個展の実現に向けて、まずはオリジナルの作品を増やすことが目標です。
ワインも好きなので、近いうちに「ワインの香りの擬人化イラスト」をJUNCOと制作したいと計画しています!


書籍情報


飾れるアート塗り絵アート塗り絵コレクション〜旅・冒険編〜

2022年3月24日販売
飾れるアート塗り絵
「アート塗り絵コレクション 〜旅・冒険編〜」

作品価格:定価1,650円(本体1,500円+税)
ISBN :978-4-9911614-1-4A4判/並製/64頁

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