【美術技法】日本画(彩色画)、水墨画、油彩画、水彩画(ガッシュ) 2022月04月10日 アートの知識

技法レポート


日本画(彩色画)

 

日本画の歴史は長く、千年以上続く伝統的な様式が確立されています。また日本画の画材は決して扱いやすいわけではなく、ここではオススメの彩色用画材をご紹介します。まず「岩絵具」ですが、日本画で最も代表的な画材です。天然の鉱物を原料としており、鉱物をすり潰して粒子にした後に、膠と混ぜ合わせることで、岩絵具ならではなの美しい色彩が完成します。現在も日本画家の多くが採用していることに加え、現代アートのフィールドで活動するアーティストの中にも岩絵具を使用している方もいます。岩絵具以外で初心者の方が最も扱いやすい画材が「角顔彩」です。顔彩として広く親しまれており、使い方は水彩画と同じく水を含んだ筆で表面の顔料をなぞるだけで顔料が溶け出し、様々な作品へと応用が可能です。

水墨画

水墨画は中国で生まれ日本へとその技法が渡っていきました。中国からの絵画は「唐物」として広く親しまれており、唐絵の一種として伝来した水墨画は日本人の多くに親しまれたのです。この水墨の技術は中国が唐の時代に確立し、このころの水墨画は黒墨だけに限らず、極彩色で鮮やかな水墨画もあったのです。日本には鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて水墨画が入ってきた資料が残っており、この時期、多くの禅僧が中国に渡り修行をしており、そうした交流から日本に入ってきたことはごく自然な流れでしょう。またバサラ大名の存在も後押ししています。当時、鎌倉幕府が衰退して日本全体に不穏な空気が流れる最中、その反動で派手な装飾で着飾る大名が少なからず存在し、唐物を好んで収集していたからです。こうして日本に伝来した水墨画は日本文化と混じり合う中で様々な変化を見せていきます。水墨画のような平面構造や余白の使い方は、浮世絵などにも影響を与えており、もはや日本文化の一つと言えるほどに水墨画は私たちの美意識に浸透したのです。しかし時代は変わり明治維新の頃になると、西洋画が日本に輸入され油絵がメジャーな存在へと変わっていきます。日本画と洋画がのなかで水墨画の存在が少し薄く立っているのが今日の現状といえます。

油彩画

油彩は絵画の王様と呼べるほど絶対的な存在です。なぜなら、油彩は何層にも重ねることによって複雑な表情を織り成すからです。油彩にもいくつかの準備が必要です。作品のパネルから作る方もいますが、そこから地塗りをして、下塗りを重ね、素描、荒描、細部の描写、背景、という順番で作品を完成させていくことが一般的でが、厳密に決まっているわけではなく、これも画家によって順序が異なるはずです。油彩は15世紀には今と同じ技法が確立していたといわれており、現在600年以上の歴史があります。確立された当時、画家のファンアイクが生みだした「フランドル技法」の他に「フィレンツェ技法」や「ヴェネチア技法」などが確立されていきます。油彩による技法は、今日に至るまでに数多くの名画を生み出しています。

水彩画(ガッシュ)

そもそもガッシュが何かというと、水彩絵具の中でも不透明な素材のことを指しています。ガッシュは顔料とアラビアゴムやアカシア樹脂を混ぜ合わせて造られた絵具です。ではガッシュにはどのような特徴があるかというと、不透明でありながら発色がとてもハッキリしており、色彩の表情にテカリの要素は一切なく、とても深いマットな仕上がりです。また水彩絵具とは異なり、濃い絵具の上に薄い絵具を重ねて乗せていっても色彩が活きないということがないため、ガッシュならではの複雑な色彩模様を作ることができます。白い部分は白い絵具を使うことも水彩絵具とは異なる個性と言えるでしょう。また水分が蒸発しやすく乾燥が速いことも慣れるまで注意が必要です。こうした特徴があるガッシュですが、最も知られている作品群は中世における挿絵の彩色でしょう。ガッシュを使った作品としては画家ラディスラウス・ベネシュの作品が資料としてよく登場します。現在、ガッシュといえばアクリルガッシュの事を意味するケースも多いのです。性質は異なりますが、不透明であるという特徴は変わりがありません。ちなみに、義務教育で使用されるアクリルガッシュは透明と不透明の間ぐらいの特性を持つように作られています。

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